ご自分の功績をカウンセラーの功績にしないで。
カウンセリングを受けるとこうなれる。
楽になれる。
幸せになれる。
完璧な人生を歩める。
そんな誤解もあるのではないかと思う事も時々あります。
カウンセラーは魔法使いではないしカウンセリングは魔法ではありません。
カウンセリングを受ければ楽になれる訳ではなし、幸せになれる訳でもありません。
困った問題を解消してくれる訳でもありません。
カウンセリングは、自分の本心に気づくきっかけです。
ほとんどの人は自分の本心を隠して生活しています。
その本心の多くは、本人自身も忘れていたりして自覚がありません。
それら本心は、抑圧され、存在しない事になっている状態です。
それらが様々な症状や問題を引き起こします。
自分の本心に気づき、認める事でそれら症状や問題は軽減したり解消したりします。
本心に気づく事で、結果的に症状や問題の軽減や解消に繋がっていく訳です。
本心に気づく必要があるのは、カウンセラーではなくご本人です。
カウンセラーはカウンセリング中、注意深く観察しているので、この人の本心は何か、何となく感じ取ることはよくあります。
しかし、カウンセラーがその人に対し、「あなたの本心は◯◯ですよ」と教えたところで、その人は楽にならないことの方が多いでしょう。
それが受け入れられるのであれば、そもそもその気持ちを存在しない事にはしなかったでしょう。
認められないから現在に至っている訳ですから。
その本心にご本人が気づかないと、楽になりません。
その認めたくない本心と向き合う事を手伝うのがカウンセリングです。
その作業の主はご本人であって、カウンセラーはその補佐に過ぎません。
主であるご本人が向き合えばそれだけ結果が出るし、向き合わなければ結果は出ません。
また、たまにカウンセラーを褒める言葉を頂いたりする事もありますが、私の場合は、自分への評価と捉えて喜ぶなんてことはないです。
逆に、私は残念に思います。
結果が出たのなら、本当にご自分と向き合ったのだし、カウンセラーを褒める方向ではなく、ここまで自分はよくやったと、自分を認める、自分へと意識が向いているはずなのに。
それが自信となり、次の自分へのチャレンジの土台となるのに。
カウンセリングによって改善したとしたらそれは、100%自分の功績です。
カウンセラーは、その人がその人自身の力を発揮する事に、自分の力を役立てれた。その人の邪魔をせずにすんだ。
ただそれだけの役割です。
もちろん、カウンセラーや手法との相性や好みはあると思いますが。
カウンセリングの際、せっかくご自分で向き合って出た結果を、カウンセラーの功績にするのは、私は悲しいし残念としか言えません。