客観的という言葉
「客観的に見ると・・」という言葉を耳にします。
その言葉は、人を説得する時によく使っているのではないかと思います。
では、客観的な目線とは、具体的にどんな目線でしょうか。
良いとか悪いとか、正しいとか間違っているとか、優れているとか劣っているとか、すごいとか一番とか、好きとか嫌いとか、センスが良いとか悪いとか、上手いとか下手とか、そういった個人や社会や国、地域、家族等の価値観を一切外した目線です。
ですから、「普通こう」とか、「人としてどうあるべき」といった固定概念も客観的な目線ではありません。
人を裁いたり操作したり、枠組みに分類したり、もちろん説得したり戒めたりする目線ではありません。
そのまま、五感で感じるまま受け止める。
これが客観的な目線です。
例えば、目線を落とし背中を丸め座りこんでいる人がいるとします。
その情報がそのまま目(五感)に入ってきます。
「目線を落とし背中を丸め座りこんでいる人がいる」これが事実です。
五感から情報が入ってくると、皮膚の中で感覚が動きます。
もしかしたら、胸の辺りに切ない感じを感じるかもしれません。
すると思考は例えば、「辛そうだな」とか、「疲れてるみたいだな」と思うかもしれません。
そして行動は、そばに寄り、「大丈夫ですか?」と声をかけるかもしれません。
もしくは、そばに寄らなくても、『あの人大丈夫だったかな』としばらく気にかけているかもしれません。
要は、客観的に見ている時は、人や状況に対して肯定的です。
否定的、批判的な言動は、主観的・感情的な考えであって客観的な目線によるものではありません。
もちろん、評価や賞賛も主観的・感情的です。
ただ、人は常に客観的でいなきゃいけない訳ではありません。
それぞれの好みがあるのが自然です。
ただそれは、相手に押し付けたり、逆に相手に合わせるものではありません。
好みが違う事。
それは仕方のない事です。
どういう好みであろうと、その人の自由です。