カウンセリングは何をしてくれるのか。
カウンセリングで何をしてくれるのか。
そう思われている方も多いのかも知れません。
カウンセラーは「治す」という事をしません。
また、特殊能力を持っている訳でもないので、「救う」事や「変える」事もしません。
もちろん、カウンセリングは、魔法ではないし、薬でもないので、「楽にしてあげる」事もしません。
カウンセリングを例えて言うなら、
カウンセリングは「心のドブさらい」と言えるかもしれません。
そして、ドブをさらうのは、「ご本人」です。
心の中のドブですから、ご本人以外入る事ができない領域です。
そのドブは、社会や人間関係の中ではなかなか晒せませんし、そのドブの奥底にある本心も、外に出せない方が多いです、
それが、心による問題や症状につながります。
カウンセラーは、ドブをさらう事はできませんが、「ドブをそのままここに出して大丈夫ですよ」と、出すことを提案する役割です。
その役割に、「こうするべき」や「普通こう」という社会的常識や概念はありません。
社会的常識や概念は、ドブをそのまま出す事を妨げ、ドブさらいができなくなります。
社会と違い、カウンセリングでは、ドブを出しても汚いとも思わないし、出す事を嫌と思いません。
なぜなら心のドブは、心の中に長年押し込めているからドブなのであって、外に出した時点で、なくなるものだからです。
また、手法にもよりますが、カウンセリングによって問題や症状の改善への道筋へとお手伝いする事もできます。
しかし、カウンセリングの中においても、自分のドブと向き合い、自身でさらうのは、容易なことではありません。
また、人と言うのは不思議なもので、長年持ち続けるものには愛着が生まれます。
そのドブにさえ、まるで赤ん坊の頃使い古した毛布のような安心感を感じるものです。
だから、ドブをさらう事に抵抗があるのは自然なことです。
カウンセリングは、受けなくてはいけないものではありません。
自分を楽にしたい、こうなりたいと思われた時、自分ではどうしたらいいかわからない時は、カウンセリングを利用してみる選択肢がある事を、思い出していただけたらと思います。