不登校でお悩みの保護者の方へ

 

↓不登校の可能性を心配している保護者の方向けのチェックリストをご用意いたしました。
不登校可能性チェックリストはこちら

ある朝、お子さんが「学校へ行きたくない」と泣き始める。
または、学校へ行けなくなる。

「不登校」は、ある日突然訪れます。
保護者からすれば、「青天の霹靂」かもしれません。

今、保護者であるあなたは、

  • なぜ学校に行きたくないのか、原因を探そうとしていますか?
  • 毎朝繰り返される「学校に行きたくない」の言葉に、ウンザリしていますか?
  • 「学校に行きなさい!」、「行きたくない!」の毎朝のやり取りに泣きたい気持ちですか?
  • 毎日子どもを説得し、学校まで引きずる様に連れて行く事に、疲れを感じていますか?
  • 自分の子育てが間違っていたんじゃないかと、ご自分を責めていますか?
  • 学校から「ご家庭に問題があるんじゃないですか?」と言われ悩んでいますか?
  • 不登校の現状において、ご主人様(もしくは奥様)に協力を得られず、一人で悩んでいますか?

様々な思いを抱え、このホームページを見て下さっていることと思います。
そんなあなた様に対し、まずお伝えしたい事があります。

あなたは何も悪くありません。
子育てを間違えた訳でもありません。
お子さんが悪い訳でもありません。

「不登校」は、 悪いことではありません。
恥ずかしいことでもありません。
隠す必要もありません。
堂々としていていいんです。

「不登校」とは、あくまで「学校に行かない(行けない)という結果論」 でしかないのです。

朝起きたら、「太陽が昇っている」、「曇っている」、「雨が降っている」などの事象と同じです。

それを踏まえた上で、以下をお読み頂きたいと思います。

 

◎不登校は「意思表示」!

まずあなたから見て、
今、不登校であるお子さんは、どの様に見えますか?

怠けていますか?
辛そうに見えますか?
苦しんでいるように見えますか?
楽しそうですか?

「不登校」という事実に対し、心底から楽観的にしている子どもは、まずいません。

 

可能性として考えられることは、お子さんは、
「学校」という場所で心に傷を負い、疲弊しているのでは?
ということが予測されます。

 

一般的によく聞く言葉ですが、学校側は不登校の原因に対して
「家庭に問題があるんじゃないですか?」とよく言います。
学校は極限まで、自分達に非はないと言い張り、認めない傾向にあります。

 

それで、多くの保護者の方が悩まれています。

 

しかし、よく考えてみて下さい。

 

社会人が「会社に行きたくない」と言った場合、周囲の人は「この人は、家庭に原因があるんだな」と思いますか?
会社とその本人における関係性について「会社で何かがあったんじゃないか」と推察しませんか?

 

なぜ、子どもが「学校に行きたくない」と言った場合、家庭に原因を求められるのでしょうか?

 

子どもは、自分の身に危険が及ぶという潜在的な意識から「不登校」という意思表示をしているに過ぎません。

例えばあなたは、戦場という身に危険が及ぶ場所に行きたいですか?

 

子どもは自分の身を守る為に「不登校」という手段を使って訴えかけているのです。

しかし、世の中には意思表示したくてもできないお子さんも沢山います。

「学校を休むと翌日から自分がいじめのターゲットになるから」
「学校を休むと、親に告げ口したと思われる」
「学校を休むと、仲間はずれにされる」

この子達も毎日必死で戦っているのです。
自分の身を守るために。
しかし、その手段はあまりに綱渡りで、その綱からいつ落ちるか分かりません。
昨今のニュースからも分かる様に、 その綱から落ちることは、命の危険に晒される危険性があると言っても過言ではありません。

「不登校」は、明らかな意思表示なんです。
よくぞ、その「意思表示」をしてくれた!と褒めてあげて下さい。
お子さんの「助けて」というメッセージをしっかりと受け止めて下さい。

 

◎「なぜ?」は禁句

お子さんの年齢によっては、自分でしっかり口にして、
「行けない理由」をはっきり言えないお子さんもいます。
もしくは、「行きたくない感覚」のみが先行して、
なぜ行けないかもわかってないお子さんもいます。

お子さんに「なぜ行けないの?」と理由を聞かないで下さい。

特に小さなお子さんに多いのが、
うまくその理由を表現できないが故に、
仕方なく「うそ」で取り繕う傾向が見受けられます。

従って、聞くのであれば、
「あなたが学校に行かなかったら、どんな風に楽になる」 と、
気持ちを聞いてあげて下さい。

決して、「なぜ?どうして?」と詮索しないで下さい。

それは、お子さんを追い詰めることになります。

 

◎お子さんの状態

保護者であるあなたから見て、
今、お子さんに下記の様なものは見られますか?

●学校に行こうとすると体が思うように動かなくなる。
●学校に行こうとすると何らかの症状が現れる。
(吐き気、嘔吐、下痢、体が震える、体中を掻きむしる など)
●勉強がすごく嫌いになった。
●外に出たり、人と会うのを嫌がる。
●楽しくない、眠れない。
●夜は元気で気楽。でも、朝になると具合が悪くなる 。
●金曜の夜が一番元気。でも日曜の夜からぐっと落ち込む。
●未来に対する不安が強く、良いイメージが持てない。
●暗くてネガテイブな考えばかり持つ              など

どれか一つでも当てはまるとするなら、
親からすれば、自分の心が締め付けられる様なお気持ちではないでしょうか?
本当に辛いですよね・・・。

このような状態は、
心が傷ついたり、疲弊している時によく見られる症状で、
もっと深刻な状態の場合もあります。

大人でも子どもでも、
心が傷つき疲弊すると、上記の様な状態になることはよくあることです。
時に、まだ成長段階の子ども達の世界では、ある意味、
大人社会より、 悪気もなく、軽い気持ちでの言動がきっかけで心が傷つくこともあります。
また昨今では、心に傷を負わす様な言動を、子どもではなく、先生などの大人がする場合も少なくありません。

誰でも、たくさんの運動をすると、肉体が疲れます。
疲れを癒すためには、入浴やマッサージを行ったり、睡眠を十分にとったりしませんか?

心も同じなんです。
心も、肉体と同様、疲労します。

あなたは、筋肉疲労でヘトヘトになっている人に対して、
更にフルマラソンを「走りなさい!」と言えますか?

心が疲弊している人に対して、
「学校へ行きなさい」というのはこれと同じことなのです。

心的疲労も、肉体疲労同様、早めに適切なケアを行うことにより、
自然と回復へ向かっていきます。

◎心のケアを怠ると・・・

では、ケアをせず
・頑張りを強いたり、
・学校に行かないことを批判したり、責めたり すると、
どうなるでしょうか?

状態は更に深刻化します。

「うつ病」などの病気になることもあります。
「自傷行為」や「暴力行為」に及ぶこともあります。
最悪の場合、
自分の命を絶つ危険性もあります。
これは、絶対にあってはならないことです。

◎心のケア

では、適切なケアとは何でしょう。
それは、肉体の疲労回復と同じ様に、
「心に負担をかけない」という事です。

【 心に負担をかけないために大事なこと 】
●無理やり学校に行かせようとしない。
●苦痛を感じる事を強要しない。
(隣の○○ちゃんは、しっかりして勉強もできて立派。あなたも見習ってしっかりしなさい。 など)
●人に合わせさせない。
(「みんな学校に行っているんだから」、「みんなこれをやっているんだから」 など)
●無理に勉強させない。
●子どもを責めない。(叱らないという意味ではありません)
●親自身、「子どもが学校に行かないのは自分のせいだ」と自分を責めない。
●子どもにとって安心、安全な場所(家、フリースクール、習いごとなど)を一緒に作ったり、見つける手伝いをする。
●回復にかかる期間を決めない。
(来年は受験なんだから、それまでには学校に行きなさい など)

心に負担をかけない期間を充分に持つことにより、心は回復していきます。

 

◎心が回復すると・・・

・安全な人(否定、批判、アドバイスをしない人)と関わりたくなります。
・意欲(学びたい、情報を集めたい 等)が出てきます。
・自分の居場所を求めるようになります。
・いろいろな場所や人と関わりたくなります。
・未来について、ちゃんと考えられるようになり、決められるようになります。
・自然な笑顔を取り戻します。

そのためにも、大人(できれば保護者の)の理解や手助けは、絶対に必要なのです。

 

◎子どもの理解や手助けをしていくためには

・保護者自身が精神的に楽になること。
・学校や周囲への配慮や気遣い、体裁を気にすることをやめる。
(体裁は、保護者自身の本心を隠し、お子さんに対して無理を強いて追い詰めるという重大な結果を引き起こします。)
・一人で悩まない。

 

◎一人で抱えているお母さん(お父さん)へ

大変よくある例として・・・、

・お母さん一人でお子様と向き合っている。
・学校から、「お母さんが付き添って学校へ連れて来て下さい。学校に来さえすれば、大丈夫ですから。」などと言われ、泣いて嫌がるお子さんを無理やり学校へ連れていく。しかし、内心その行為に違和感を感じ、「本当にこんなことでこの子は救われるの?」と思っている。
・ご主人にお子様のことを話しても、
「仕事が忙しい」
「家のことはお前に任せている」
「学校に行かなかったらロクな大人になれない」
「学校に行かなかったら勉強が遅れる。」
「わがままを言わすな!嫌がっても連れて行け!」
お母さんは、学校とお子さんの間で板ばさみ。
それに拍車をかけるかのようにお父さんが頭ごなしに言う。

お母さんは誰に相談したらよいのでしょうか?
不登校で疲弊するのは、当事者のお子さんはもちろんですが、
実はお母さん(お父さん)も泣きたいのを必死で我慢しながら
心を削り、疲弊しているのです。

どうかお父さん(お母さん)、
話を聞いてあげてください。

今、お子さんは「不登校」という手段を使って必死で自己表現しています。
どうかその心の訴えに対し、心で返答してあげて下さい。

お母さん(お父さん)は不登校の専門家ではありません。
学校も不登校の専門家ではありません。

どうかお父さん、
お母さんと一緒に協力して、お子さんの声に耳を傾けて下さい。


余談ですが、実は、かく言う私もそんな父親でした。
「わがまま言わすな!学校に行かせろ!」 と
妻の苦労も分からず、一方的に言ってました。
今、当時のことを思い返すと・・・
「なぜ、あの時もっと、妻の話を真剣に聞いてあげなかったのだろう?」
「そうすれば、子どもも、あんなに苦しまなくて済んだのではないか?」
「自分は関係ない。俺にはわからない。なんて、自分だけの都合だった。」
「一番、苦しんでいるのは子ども。それと同じくらい、妻も苦しんでいたんだな。」
「私が協力していれば、もっと早くに子どもが楽になれたのに・・・。」
「早く、笑顔を取り戻してあげれたのに・・・。」

後悔の念でいっぱいです・・・。


保護者が不登校に対する「共通認識」を持つことは、
何よりも重要なことなのです。

お子さんは、本心では、学校は身の危険を感じる場所として行きたくないにも関わらず、
「私(僕)が学校に行かなければ、お父さん(お母さん)が悲しむから・・・。」
又は、
「お父さん(お母さん)が怒るから」。
更には、
「私(僕)が学校に行かないと、お母さんがお父さんに怒られるから・・・。」  などといった、
親が原因となる理由で、無理して学校に行こうとします。

結果、親が子どもを苦しめているという状況になってしまいます。

 

◎協力者に甘える

お一人、もしくはご夫婦だけで抱え込まないで下さい。
ご両親がお子さんをサポートする必要な時間確保の為、
仕事など、他人の助けが必要な場合、 協力してくれる人には、
できる限り、素直に甘えて下さい。
今は周囲に多少の迷惑がかかったとしても、お子さんの為に、保護者が心に余裕を持つことは、非常に重要です。

しかし、事情を話しても誰もが理解してくれる訳ではありません。

その様な人に対し、無理に理解を求める働きかけは、
ストレスばかりがたまり、結局、あなたの気力・体力の消耗に繋がります。

理解できない人に対して、力を注ぐのは止めましょう。

 

◎アドバイス・サポートを見極める

仕事・家庭・教育・不登校 と多くのことを抱えている中、周囲の方々は、あなた方を心配して、たくさんのアドバイスをくださるかもしれません。

しかし、保護者自身が
「違和感」を感じるアドバイス取り入れないで下さい。

例えそれが、「精神科医」であったり「カウンセラー」であってもです。

人にはそれぞれ専門分野というものがあります。

断言する訳ではありませんが、彼らの多くの中には、
不登校の実態をよく理解していない方も多数見受けられます。

それら専門外の人に相談して、意味があると思いますか?
また、専門家であっても、独自の手法や考え方において、人それぞれに違いもあります。
よって、必ずしも保護者の求める「よい結果」にならない場合があるかもしれません。

更に、悲しいことに、殆どの教師が不登校においての知識を有していません。
教育のプロであっても、関連する不登校のプロではないのです。

では・・・、

・悩みやストレスが溜まってしまった
・ご自身の本当の気持ちが混乱し、どうしてよいか分からないなど、不安状態に陥ってしまった

このような場合は

不登校を理解した「心理カウンセラー」や、「スクールカウンセラー」によるカウンセリング、不登校の支援をしている「第三者機関(例えばNPO法人)」などへの相談をお勧めします。

ひとつ、注意事項ですが、
スクールカウンセラーの雇用主は学校や教育委員会などになる場合が殆どのようです。
中立的立場になって、不登校児側の言い分を学校に伝えてくれれば良いのですが、 時折、翌年以降の雇用契約を取り付ける為に、雇用主側に良い顔ばかりをして、中立ではない場合もあります。
実際にあった体験談ですが、
不登校児側の意見をしっかり学校側へ伝えた結果、契約を解除されたカウンセラーもいます。
(学校側からすれば、不登校児側の肩を持ったように見えたのでしょうか?)

実際に会い、会話や意見を聞いてみて、ご自身の目や耳で判断して、サポートを受けて下さい。

 

◎不登校のゴール

「不登校」のゴールは、「学校に行く」ことではありません。

「不登校」のゴールは、
お子さんが心の元気を取り戻し、改めて、
今後の居場所や方向性をお子さん自身が決め、行動する事です。
未来を、子ども自身が決めていくことです。

結果として、
お子さんが決めた居場所が、たまたま元の学校かもしれませんし、そうではないかもしれません。
それは、どちらでも良いのです。

お子さんが決める事に意味があるのです。

もしも、「不登校」を経験せず、当たり前のように今の学校を卒業していたとしても、遅かれ早かれ、お子さんは、自分の居場所や方向性を決めなければなりません。
それが、あなたのお子さんの場合、みんなより少し早くきただけの事です。
お子さんには、みんなより早く、心の「自立」の時期が来たのです。 よって、焦る必要は全くありません。
充分に休み、心が回復したら、自分の居場所や方向性をじっくり考えていけば良いのです。

今はまだ、したいことも夢も見つけられないかもしれません。
苦しんでいるお子さんを目の当たりにする事も度々あるでしょう。
そんな様子を見ていたら、不安でたまらなくなるでしょう。
代わりに決めてあげなければとか、苦しみから救ってあげなければと思うかもしれません。
苦しいでしょうが、その気持ちはぐっと我慢して、回復の時を信じて待ち続けてください。
苦しみの中、立ち上がるのはお子様自身です。
それを支え、見守る事はできても、救ってやる事は、たとえ親でもできないのです。

お子様には、自分の力で立ち上がる力があります。
自分の幸せをつかむ力があります。

保護者にできるのは、それを信じぬく事のみです。

 

◎焦らず気長に・・・

お子さんの状態によっては、長期に渡る場合もあるかもしれません。
しかし、決して焦らないで下さい。
中学3年生までの義務教育に留年はありません。
卒業はできます。
16歳になれば、通信制の高校やフリースクール、大検など、道は様々に広がってきます。
今の世の中、良い学校を出たからといって、就職が約束されている訳ではありません。
他の人より、少しだけ遠回りしても、あなたのお子さんには、誰にも経験できない貴重なことを学んでいるのです。
そして、あなた方、親からのたくさんの愛情を受けています。
その分きっと、人の痛みの分かる優しさを秘めて育っていると思います。

不登校は病気でも悪いことでもないんです。
しっかり意思表示したお子さんを誇りに思い、大きな気持ちで見守って下さい。

但し、不登校だからと言って、甘やかしたり、腫れ物に触ったりするようには決してしないで下さい。
子どもが良い事をしたら、褒める。
悪いことをしたら叱る。
育て方は、いつも通りでよいのです。

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