介護している時(認知症の場合)

 

『認知症は現在、完治する治療方法が確立されていません。
しかし、早期発見・適切な治療によって進行を抑える事は可能です。
認知症で起こる、徘徊や不眠、抑うつ状態などは、ご家族の接し方によって緩和される事もあります。』

この類の文章は、認知症を抱えるご家族の方なら、幾度となく耳にしたことがあるかもしれません。また、認知症の方への接し方について、学ばれてきた方も多いでしょう。

しかし「分かっていてもできないから困っているんじゃないか!」
当然です。

ご家族の負担は、あまりにも多過ぎるのです。
それは、デイケアなどの施設を利用していたとしても同様です。

・何回も同じ事を聞いてくる
・物を何度もなくし、その度に大騒ぎする
・夜になったら徘徊する
・人をどろぼう呼ばわりしたり、信用しない
・トイレ以外での排泄
・排泄物をいじる  など

介護するご家族も人間です。イライラしたり、頭にきたりして、当たり前です。

このような状況下で、専門家のマニュアル通りの介護など、なかなかできるものではありません。

それでは、どうしたらよいのでしょうか?

介護を必要とする状況は変わりません。

ゆとりを持った気持ちで介護をするために・・

(手段)
・抑えている気持ちや愚痴を、いつでも言えるお友達を見つける。
・お友達では吐き出せない気持ちがあったり、近くにそういう方がいない場合は、心理カウンセラーを利用する。
・認知症家族のセルフサポートグループの交流会があれば、参加してみる。
※同じような気持ちを抱えてきた方同士の空間は、一緒にいるだけでも心地よいものです。

しかし

カウンセリングを受けても、気持ちを吐き出しても、また、交流会に参加しても、認知症が良くなる訳ではありません。まして、介護している状況から解放される訳でもありません。

介護しているご家族は、ご自分の事は顧みず、頑張りすぎるほど頑張り、限界以上に我慢しています。
また、介護ばかりに追われ、社会から取り残され、孤立しているような感覚をお持ちの方も非常に多く見受けられます。

つまり

「いつでも気持ちを吐き出せる場所を用意しておく」

今迄の「いっぱいいっぱいの気持ち」ではなく、その都度、「気持ちを吐き出し、心に溜めない」状況を築いていくことが重要となります。

一人で何もかも抱え込む必要はありません。
同じような気持ちを抱える仲間と繋がったり、いろいろな方面からサポートを受けたりする事は、決して介護をおろそかにしている事ではありません。
「今までよく頑張ってきたね。」と自分の気持ちを認め、労い、自分の気持ちを大事にしましょう。
そうする事が、明日のパワーとなり、むしろ、より質の高い介護へと自然に繋がっていくでしょう。

 

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