2014/06/04 西日本新聞朝刊  中学校での特別講師として授業実施取材記事掲載

2014年6月4日(水) 西日本新聞 朝刊
特定非営利活動法人「たんぽぽの家」(早川みどり主宰)有志ら
中学校で特別授業を行う

取材記事

(記事内容)
いじめの芽摘み取りたい

娘の不登校直面した母親 中学校で特別授業

命を奪うことにもつながる子どものいじめをなくそうと、北九州市小倉北区
の早川みどりさん(46)が、中学校でいじめ防止を目指す特別授業に
挑んでいる。長女の不登校を通じ、子ども社会のいじめの根深さを知った
ことがきっかけという。8日に市民向け勉強会も予定する早川さんは「親
の立場から子ども達と本音で向き合い、心の成長を助けたい」と訴える。

いじめ問題に直面したのは、長女が小学校中学年のとき。友人関係や担
任教諭への不信感から、学校に通えなくなった。校長と話し合いを重ねて
も関係は修復できず、転校した。「学校では『死ね』や『キモい』とい
った言葉が当たり前のように飛び交う。生きづらさや、学校生活がつらいと
感じる子は多いのではないか」と心配する。
3年前、死産流産を含む死別体験者支援を目的にNPO法人「たんぽぽ
の家」を設立。「いのち」について、真摯に向き合ってきた。
長女らが通う中学校側に「親の立場から見た、いじめ問題」について話を
させてほしいと持ちかけ、校長の理解を得た。今年1月、道徳の特別授
業の講師として初めて教壇に立った。
2回目となる特別授業は5月下旬から、2年生の6学級を回っている。
授業では生徒や教諭と意見を出し合う。自作の小道具を使いながら「心
の中にある ” もやもや ” が重なると『死にたい』と思うようになるよね」
「『うざい』といった言葉を人にぶつけない、優しい人間に成長してもら
いたい」と熱心に繰り返す。
「初めは話を聞いてくれなくても、真剣に語りかけると、少しずつ受け止
めてくれる生徒もいます。すぐになくならなくても、小さないじめの芽を摘
み取っていきたい」と早川さん。校長は「保護者からの提案に初めは驚
いたが、生徒がいじめを重大な問題と捉えられるようになってきた」と効果
を感じている。

市民向け勉強会は8日午後1時半から、小倉北区の生涯学習総合セン
ターで開催。いじめから「命を守る」をテーマにワークショップを行う。
参加料は100円。

(大庭麻衣子)

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