2014/01/17 西日本新聞朝刊 「いじめについて」地元中学校にて校外講師として授業

2014年1月17日(金) 西日本新聞 朝刊
特定非営利活動法人「たんぽぽの家」(早川みどり主宰)有志ら
北九州市立思永中学校において校外講師として
「いじめについて」の授業を行う
取材記事

(記事内容)
いじめが原因とみられる子どもの自殺が後を絶たない中、NPO法人と
小倉北区の思永中教諭が企画した珍しい特別授業が、同中であった。
暴言や暴力などをテーマにした特別授業では、いじめを苦に自殺した
生徒の遺書が読み上げられ「いじめを防ぐことは命を守ること。解決に
向けて、大人を頼ってほしい。」とメッセージを送った。

「いじめを防げ」
教えのリレー

授業は22日にあり、1年生の1クラス約30人が参加した。講師と
して、いじめ防止に関する講演活動を行う北九州市のNPO法人
「たんぽぽの家」の早川みどり代表が教壇に立った。
早川さんは冒頭、生徒に「いじめって何だろう」と質問した。
殴る、蹴る、仲間外れにする・・・。「いじめの認識がなくて、おもしろ
がってやりよる人もいる」とある男子生徒が言うと、うなずいたり、笑っ
たりする生徒もいた。ただ早川さんが「人の心や体を傷つけることだよ
ね」と話すと、教室には静けさが漂った。
心理カウンセラーの資格を持つ早川さんは、うつ病などで相談にくる人
の大半が、10代前半にいじめを受けた経験が説明。「子どもの時に」
受けた心の傷は、大人になっても癒えないの」と語りかけた。

授業中盤、クラス担任の阿部結花子教諭(39)が、四国地方で
数年前に自殺した男子中学生の遺書を読み上げた。教室内がざわつ
き、生徒達の表情が引き締まった。

《最近生きていくことが嫌になってきました。なぜ僕をいじめるのですか。
きもいからですか。皆さんは反省しないので僕は自殺します。》

朗読後、男子生徒が「誰かに助けてほしかったんだと思う」とつぶや
いた。
小、中学生の3人の子どもがいる早川さん。生徒を子ども達に重ね
「先生や親は、皆さんがいとおしくて大切なんです。皆さんの命を守る
のは大人の義務。何かあったら相談してほしい」と締めくくった。
阿部教諭も「いじめを許さないという雰囲気をつくることを、これからも
心がけたい」と決意を新たにした。
特別授業は来月以降、各クラスで開く予定だ。
(大庭麻衣子)

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