第9話 人生を賭けた4回目

数ヶ月経ち、ようやく母の具合も快方に向かい、ある程度体を普通に動かせるようになった頃、私は再び体外受精を始めました。
今までと同じような過程を辿り、四回目の体外受精も無事終わりました。

期待と不安を抱えたまま私は、時間が過ぎるのをひたすら待ちました。
すると今回は、生理予定日を過ぎても全く生理の兆しがなく、私は期待が高まるのを抑えながら、病院の指示通り妊娠検査薬を買ってきました。

トイレに入りしばらくすると、検査薬の白い小さな二つの窓に、赤いラインがはっきり現れました! 私はすぐに、トイレを飛び出して主人に検査薬を見せました。

「間違いないよね?ちゃんと妊娠しているんだよね?」

と何度も確認した後、私の目から涙が溢れました。

しかし、以前の子宮外妊娠の事が脳裏に浮かび、まだまだ素直に喜ぶことはできませんでした。
翌日の診察を待たなければならないその日の夜は、私にとって本当に長い夜となりました。
緊張で寝つけないまま朝を迎え、主人と私は朝早く病院に向かいました。

診察を終えた結果、間違いなく「妊娠」ということが判明しました。
それもモニター画面で二つの袋が見え、双子だということも確認されました。

体外受精以外の妊娠を望めない私にとって、それがどんなに素晴らしくうれしいことだったか!

しかし、まだ姿が見えないうちは安心できないと、はやる気持ちを抑え、姿が見える日をひたすら待ち続けました。
一日千秋の思いというのは、こういう気持ちのことを言うのでしょうか。
一日一日がとてつもなく長く感じ、出血することなく一日が終わるとホッとしました。
「待つ」ということを、こんなに長く苦しく感じたことはありません。

それは、今回の体外受精に失敗したら、子供をきっぱり諦め、私自身の生き方についても考え直すつもりでいたからだと思います。

私達は、この四回目の体外受精に私達の人生を賭けていました。

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